コラボレーションスペースTaktを通して「街として人を育てる文化」を作りたい~Taktに関わる社会人インタビュー~

Taktは学生も社会人も関係なく、立場を超えて繋がれる場所を目指しています。またこれまで、Taktを通して多くの立場を超えた交流が生まれ、中にはイベントやプロジェクトに繋がったこともありました。

しかしまだまだ、立場を超えた繋がりを実感できている人が多くないのが現状です。多くの学生は「社会人と話してみたい」「社会人の人と何かしてみたい」と思っているけれど話しかけるきっかけが掴めなかったり、社会人の方も「学生の意見・考えを知りたい」と思っているけれど話しかけるのを遠慮してしまったり…。

こうした課題を解決するためにも、まずはお互いを知ることが大事。そう思って『Taktに関わる社会人紹介シリーズ』と題して、Taktに関わる社会人を紹介させて頂く企画を始めました。今回はその第2弾として、Taktの運営にも関わる一般社団法人草薙カルテッドの小林さんにインタビューしてみました。小林さんは学生からは、”こばさん”と親しみを込めて呼ばれています!

※インタビュアーのCon-Taktとは、コラボレーションスペースTaktを運営する団体の名称です。

こばさんプロフィール画像

自己紹介&学生時代を振り返って

Con-Takt:
本日はお時間を頂き、ありがとうございます。まずは簡単に自己紹介をお願いします。

こばさん:
一般社団法人草薙カルテッドの事務局で働く小林です。現在28歳で、普段はTaktの運営や営業をしたり、静岡県立大学のカリヨン書店で仕事をしたりしています。

静岡市の出身で、高校は商業高校に通っていました。大学は静岡県立大学の経営情報学部出身です。社会人になってからは、求人広告の会社で5年ほど営業をしたあと、現在の職場である草薙カルテッドに転職しました。2021年4月に転職したので、割と最近ですね。

Con-Takt:
ありがとうございます。大学時代はどんな学生生活を送りましたか?

こばさん:
大学時代は割と色々なことをやっていました。

サークルや部活では、いくつかの団体に所属していました。具体的には、”地域コラボプロジェクト”という草薙地域の活性化に取り組む学生団体や登山部などです。ちなみに登山部では1年生の終わりごろから部長を勤めてましたね。”クラブ・サークル連合”という色々な部活の代表が集まる委員会で、委員長も経験しました。各団体のその年の活動予算を決めるので、結構ユニークな経験でした。

学生の頃のこばさん

3年時から活動が始まるゼミは、経営学の組織論が専攻のゼミに入りました。元々プログラミングとかにも興味があったのですが、「一番忙しいそうな所に入ろう!」と思ってそのゼミに決めましたね。振り返って考えると、ストイックだと自分でも思います(笑)

ゼミ活動では、3年時に『日経GSRコンテスト』という大会に出場しました。ビジネスプランコンテストみたいなイメージですね。東京で開催される大会で、有名私立大学の学生とかも参加していました。結果は限りなくビリに近かったと記憶しています(笑)

それとゼミ活動以外でも自主的にプロジェクトに取り組んでいました。「高校生と大学生が話せる場を作りたい」と思って、大学生を30人くらい集めて自分の出身高校でワークショップを開いたり、”地域デザインカレッジ”という人材養成講座に通って、キャリア教育のプロジェクトに取り組んだりしました。

Con-Takt:
なるほど。かなり精力的に活動されていたんですね!色々と活動する中で、大学時代に悩んだこと・挫折したことはありますか?

こばさん:
大学4年時に色々と詰め込みすぎて、キャパオーバーになってしまったことがあります。卒論執筆やキャリア教育のプロジェクト、静岡デザインカレッジなど色々とやった結果ですね。色々とやったからこそ得られたことももちろんありますが、自分1人で何もかもやる限界を感じました。

特に地域デザインカレッジはきつかった記憶があります。デザインカレッジは3人くらいのグループを組んで、半年くらいかけて課題を解決するという講座なんです。でも最初は3人でスタートしたのに、最終的に自分1人になっちゃって。

それでも上手く人に頼れずに、1人で最後まで頑張ろうとしたら、最後の発表の前日にストレスで体調を崩してしまいました。この経験から、どんなに頑張っても最後に間に合わなければ意味がないことも学びましたね。

Con-Takt:
ありがとうございます。色々と挑戦するからこその経験ですね。少し話は変わりますが、就活にはどんなスタンスで臨みましたか?

こばさん:
終活は大学3年生の3月の情報解禁と同時に始めました。今の学生と比べると、かなり遅い方なのかもしれません。正直、就活開始当初は内定をゴールに就活していたと思います。自己分析も特にせず、内定も取れていました。自慢に聞こえると思いますが、8社くらいは内定を持ってましたね。

でもある時、大学時代から仲良くしていた先輩と話していて「それって内定を取るゲームになっていない?」という指摘を受けました。その時にハッとして、改めて「自分の行きたい会社はどこなんだろう?」を考えてみました。その際に色々な業界を見れる仕事に就きたいという軸が見えてきたんですね。キャリア教育のプロジェクトをやったり大学で教職を取っていたりと、将来的に教員になりたいと思っていたので、色々な仕事を知っておきたいと思ったからです。だから結果的に、求人広告の営業という仕事を選びました。

Con-Takt:
なるほど。教員志望だったんですね。ありがとうございます。それでは続いて、社会人になってからのお話を聞かせてください!

社会に出てから(草薙カルテッド転職まで)

Con-Takt:
実際に会社で働いてみて、学生と社会人で変わらないことは何でしょうか?逆に変わることって何でしょうか?

こばさん:
会社によるとも思うので、それを前提に話しますね。

社会人1年目に変わらないと感じたのは、意外とプロセスを評価してくれる事ですかね。てっきり完全に成果でしか評価されない世界だと思っていたので、1年目に取りくみのプロセスを評価して貰えたのは良い意味でギャップがありました。

逆に変わった点でいうと、3年目くらいから成果至上主義の評価になったことですね。僕はチームをまとめて物事を進めるのが得意なタイプで、個人としての成績で勝負するタイプではなかった。だからその辺の評価に対する難しさはありました。

Con-Takt:
確かに学生時代ってプロセスを評価してもらいやすいですよね。では、仕事を始めてから感じた「学生時代に学んでいて良かったこと」って何かありますか?

こばさん:
人に頼ることの重要性を学べたのは大きかったと思います。先ほどの学生時代の話でも触れたんですけど、大学4年時にキャパオーバーになった経験があって、その時に人に頼ることの大事さを痛感しました。

あとこれは社会に出てから更に感じたことなんですけど、人が集まってくる人の特徴って仕事ができる人ではないんです。困っている人に人は集まってくる。つまりこの人を助けたいと思われる人には、自然と人が集まってくると思っています。そういう意味でも、出来ないことは出来ないと伝えることを大事にしていますね。

Con-Takt:
なるほど。一人で全部やろうとしないことって確かに大事ですよね。なかなか苦手な人もいるとは思いますが、意識していきたいですね。ではここからは、Taktの運営母体である草薙カルテッドに転職した辺りの話と、Taktに関するお話を聞いていきたいと思います。よろしくお願いします!

社会人のこばさん

Taktについて(草薙カルテッド転職後)

Con-Takt:
ではここからは、いよいよTaktに関わる話を聞かせて頂きますね。それではまず、Taktの運営母体でもある一般社団法人草薙カルテッドに転職した理由を教えてください。

こばさん:
理由は大きく3つくらいありますね。

1つ目が30歳までに自分の力をつけて、出来ることの幅を広げたかったからです。草薙カルテッドって今は発展途上の組織なので、そういう組織に来ると大変だけどいい経験ができると考えています。

2つ目は人の魅力ですね。今一緒に事務局で働いている人達は、学生時代に地域コラボプロジェクトで関わりのあった人達で、少しでも一緒に働く中で力になれたらと思っています。

3つ目は、街づくり会社がもっと儲けられる仕組みを作りたいからです。街づくり会社って凄く良いことをしているのに、なかなか儲けることが難しい側面があると感じていました。だからこそ、もっと街づくり会社が稼げるような仕組みにしたいと思っています!

Con-Takt:
ありがとうございます。素敵な理由ですね。ほとんど転職と同時にTaktがオープンしたわけですが、当初Taktをどんな場所にしたいと考えて、活動を始めましたか?

こばさん:
活動を始めた当初は、学生時代に多くの経験値を積める場所にTaktをしたいと考えていました。自分が社会人になって以降、就職してもすぐに辞めていく子たちを見ていて、学生時代の経験が入社後の離職率に関係ある気がしていたんです。学生時代に多くの企業や社会人と関わることができると、社会に出てからも活躍しやすいのかなって。

あとはTaktを通して1年生や2年生の内から企業との接点を持つことで、3年生で就活を始めなくても、自然と会社が決まっていく社会を作りたいと思っていました。割とTaktを始めた最初は就活色が強かったですね。

私の知らないセカイの写真

Con-Takt:
そうなんですね。ではTaktで活動していく中で、気づいたことや発見、気持ちの変化があれば教えてください。

こばさん:
最初は先ほども触れた通り、色々な学生が社会と接点を持てるような、言い換えれば自分のやりたいことにチャレンジできる場所を目指していました。でも1年間、Taktで学生と日々関わる中で、やりたいことに自立して挑戦できる学生が限られていることに気づいたんです。それと自立できている子たちは、きっと社会でも苦労しない可能性が高いだろうと。

だから今は自立してチャレンジする学生ももちろん応援しつつ、どちらかと言えばそうじゃない子たちの応援をしていきたいと思っています。企業とのマッチングも素晴らしいですが、それよりもまずは『街として人を育てる』ということを意識して活動していきたいですね!

Con-Takt:
ありがとうございます。やっぱり誰よりもこの1年間、学生と身近で活動されてきたからこその気づきだと感じました。そういう意味では、Con-Taktの学生メンバーは最も接する機会も多かったと思いますが、一緒に活動しているCon-Taktメンバーをどう見られていますか。また意識されていることはありますか?

こばさん:
Con-Taktの子たちとTaktの運営を1年間やってきたんですけど、素直な感想は「1年間でこんなに成長するんだな」という驚きですね。一緒に活動していく中で学生の力を肌で感じるからこそ、就活で落とされている現状が信じられないし、もっと自信をつけて貰える方法を考えたいと思っています。

あとは学生と関わる中で意識することで言えば、自分がやってみることですかね。まずは自分でもトライしてみて、ある程度感触を掴んだら学生にもその仕事をお願いしてみる。そうすることでコミュニケーションも取りやすくなるかなって考えています。あとは「頼る」と「頼む」を区別して使うようにしています。頼むは業務委託みたいなイメージで、頼るは自分が出来ないことを助けてもらうイメージ。Con-Taktにおいては、頼ることを意識していました。

Con-Takt:
ありがとうございます。Con-Taktの子に限らず、学生と関わる社会人の方が意識すると良いポイントかもと感じました。では最後の質問です。こばさんにとって、Taktの理想像ってどんな風に描いていますか?

こばさん:
あくまで個人的な意見ですけど、最近は「学生が走り続けるための休憩所」みたいにTaktがなれば理想だなと思っています。僕も学生時代そうでしたが、何かを頑張ることってできるんですね。でもそれを継続することって難しい。だから今は1年に1回くらい頑張れればそれで良いんじゃないかって思うんです。そして何かを頑張りたいと学生が思ったタイミングで、Taktがそれをサポートできる場所であれば最高だなと思っています!

インタビューを終えて

今回はコラボレーションスペースTaktの運営母体である一般社団法人草薙カルテッドで働くこばさんにインタビューをしました。学生時代のキャパオーバーの話や就活の話など、学生の皆さんも共感する話があったのではないでしょうか。またこばさんの教育やTaktに関する考え方が聞けて、非常に良い時間になりました。

今回のインタビューを通して、こばさんの人となりや考え方が伝われば嬉しいなと思います。今後もTaktに関わる社会人の方を紹介していきたいと思いますので、ぜひお楽しみに!

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